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12月 23 2020

年末年始の休み

12月29日から1月5日まで休業いたします。

緊急の法律相談を希望される方は、ホームページの問い合わせから

お申し込みください。可能な範囲で対応致します。

10月 15 2020

遺産分割の進め方

遺産分割の進め方

被相続人の生前に預貯金の引き出しがあり、相続の手続時に問題になった場合、どのように遺産分割調停を進めるかを説明します。

1 預貯金を引き出した者の特定

被相続人の生前に預貯金が引き出された疑いがある場合には、まず、誰が預貯金を引き出したのか、預貯金を引き出した人に預貯金の引き出し権限があったのか、引き出したお金を何に使ったのか、調査する必要があります。

預貯金の引き出しに争いがある場合には、引き出された預貯金は遺産分割の対象になりません。預貯金を引き出した疑いがある相続人を相手に、別途不当利得返還請求訴訟又は不法行為に基づく損害賠償請求訴訟を提起することを検討することになります。

2 預貯金を引き出した相続人が無断引き出しを認めた場合

引き出した預貯金を相続財産に戻し、預金を引き出した者が一定額の預貯金を保管しているものとして遺産分割協議を行います。

3 預貯金を引き出した相続人が無断引き出しを認めない場合

〈よくある説明〉

A 被相続人の住居費、公租公課、医療費、介護費、葬儀費用、遺産管理費など、被相続人や相続人全員の利益のために費消した

B 被相続人から贈与された

〈対応策〉

いずれも、その事実を裏付ける資料の提出と説明を求めます。

Aの説明が裏付けられた場合は、費消した金額を相続財産から除いて遺産分割協議を行います。

Bの贈与が認められた場合は、通常、特別受益の問題になります。

生前贈与を受けた金額を特別受益として相続財産に組み込んで遺産分割協議を行います。

預貯金を引き出した者の説明では、使途や金額が明らかでなく、支出する相当性にも疑問がある場合、あるいは贈与と認められない場合には、別途民事訴訟での解決も検討します。裁判になった場合、親族間の争いであり、和解勧告されることが多いようです。

10月 13 2020

配偶者居住権

1 配偶者居住権とは

相続人である配偶者が相続開始前から被相続人所有の建物に住んでいた場合、遺産分割で自宅を相続しなくても、配偶者が引き続き無償で居住することを認めた権利です。配偶者居住権は、相続人間で遺産分割協議をして取得するか、被相続人に配偶者居住権を相続させる旨の遺言を残しておいてもらう必要があります。

2 配偶者居住権のメリット

相続財産の内訳をみると不動産が約半数を占めている場合が多くなっています。仮に配偶者が不動産の所有権を取得すると、配偶者は預貯金をほとんど相続することができず、「自宅に住み続けることはできるけれど、老後の生活ができない。」といった事態が予想されます。

配偶者居住権の評価については、建物の残存耐用年数や配偶者の平均余命等が勘案されますが、この評価方法によれば、配偶者が高齢である場合、配偶者居住権の評価額を抑えることができます。従って、配偶者居住権を選択すると、配偶者は自宅に住み続けることができる上、預貯金等を多く相続することができるというメリットがあります。

3 今後の展望

そもそも配偶者居住権は、配偶者とそれ以外の相続人の関係が悪く、そのため相続開始後の配偶者の居住をいかに確保するかが課題となる場面が想定されていましたが、創設された配偶者居住権はそのような場面に限定されていません。従って、あえて配偶者居住権を選択する必要がないケースも多いように思われます。

しかし、二次相続(残された配偶者から子への相続)での相続税の扱いによっては、配偶者以外の相続人のメリットも生じうるので、税制上のメリットがインセンティブになりうるでしょう。

10月 12 2020

預貯金の相続

預貯金の相続

1 被相続人の財産は、相続により相続人全員が管理する財産となり、各相続人が勝手に処分することができなくなります。預金口座は銀行が被相続人の死亡を把握すると口座が凍結されます。

銀行口座の凍結を解除するためには、戸籍を収集したり、遺言書を提出したりと手続きがかなり煩雑です。そのため口座凍結を避け、一部の相続人が預金を勝手に引き出してしまうことがよく見られます。

(1)被相続人の死亡前に無断で引き出された場合

被相続人の意思に反して無断で預貯金を引き出すと、被相続人は当該相続人に対し、不当利得返還請求権や損害賠償請求権を行使することができます。被相続人の死亡によりこの不当利得返還請求権等が相続され、無断で引き出した相続人に対し、請求権を行使できることになります。

(2)被相続人の死亡後に無断で引き出された場合

引き出された預貯金を遺産分割の対象とするには、相続人全員の同意が必要でしたが、相続法が改正されて、引き出した相続人以外の相続人が希望すれば、引き出された預貯金も遺産分割の対象とすることができることになりました。

2 死亡直前に生前贈与された場合

生前贈与が相続財産に含まれる場合と含まれない場合があります。

相続人又は遺贈を受ける者に対し、死亡から3年以上前に生前贈与されたもの、または相続人や遺贈を受けた人以外に生前贈与されたものは、相続財産として計算されません。

したがって、法定相続人ではない孫に生前贈与すれば、相続財産に計算されることはなく、節税対策になり得ます。

3 預貯金口座の調査

(1)被相続人の預金口座を一括して調査する方法はありません。郵便物から調査したり、年金受給者の場合は、年金事務所に問い合わせたり、高齢者であれば、ゆうちょ銀行と取引しておられる方が多いので、ゆうちょ銀行を調査したりします。その他、近隣の金融機関をあたってみることもあります。

(2)平成30年からマイナンバーは銀行口座に紐づけされることが決まりました。当面は任意ですが、義務化が検討されています。紐づけされると税務調査に活用されて、相続人の把握していない預金が税務調査で指摘されないとも限りません。遺言書やエンディングノートに預金口座を記載しておいた方が、いざというとき相続人も困らないでしょう。

10月 12 2020

自筆証書遺言の保管制度

自筆証書遺言の保管制度

1 遺言には主に公正証書遺言と自筆証書遺言の二つの方法があります。自筆証書遺言は遺言者の手書きによって作成することができ、簡便なところが最大のメリットです。しかし、手書きゆえに遺言書が無効でないか争われたり、せっかく遺言書を書いたのに家族に発見されなかったり、偽造・隠匿されやすい点がデメリットでした。

このデメリットを補うものとして、自筆証書遺言の保管制度が令和2年7月10日から始まります。

この保管制度では、遺言者本人が管轄のある法務局に出向いて遺言書の保管申請を行います。提出された自筆証書遺言は、法律上の要件を満たしているかの確認が行われ、原本が保管されたうえ画像データとして記録されます。

自筆証書遺言は家庭裁判所で検認手続きを行う必要がありますが、法務局で保管された自筆証書遺言は検認手続きが不要になる点もメリットです。

2 遺言書の検索

(1)公正証書遺言の場合

昭和64年1月1日以降に作成された遺言であれば、日本公証人連合会の「遺言検索システム」を利用して遺言書の有無を検索できます。氏名、生年月日、作成日といった情報がデータベース化されており、遺言書がどこの公証役場で作成されたものであろうと、最寄りの公証役場で調査が可能です。

この検索システムを利用できるのは、相続人や遺言執行者などの法律上の利害関係人のみです。

(2)自筆証書遺言の場合

自筆証書遺言の保管制度も、遺言者の死亡後に一定の者から「遺言書情報証明書」の交付申請ができます。実際に遺言書を預けている法務局以外の法務局に対しても交付申請ができます。単に遺言書が保管されているか否かだけを調査するための請求もできます。

(3)保管制度が創設されたことにより遺言書の検索に関して公正証書遺言と自筆証書遺言とで優劣はなくなりました。遺言者がこの保管制度を利用していれば、公正証書遺言と同じように相続人等の関係人が調査することができるようになります。

3 弁護士が遺言書作成のご依頼を受けたときは、第一に公正証書遺言の作成をお勧めしています。無効な遺言書にしないためには公正証書遺言の方が優れています。しかし、それでも自筆証書遺言により作成したいと希望されたときには、今後はおそらく保管制度の利用を助言するでしょう。

遺言書が残されているか不明なときは、遺言書の検索システムを利用して調査をしてみてください。

 

10月 12 2020

預貯金の仮払い制度

預貯金の仮払い制度

1 預金債権は、相続開始と同時に当然に相続人に分割され、相続人は分割により自己に帰属した債権を単独で行使できるとされてきましたが、平成28年最高裁決定で判例が変更されて預貯金債権も遺産分割の対象に含まれると判断されました。この決定により相続人全員の同意がない限り預貯金の払い戻しを受けることができなくなりました。

相続人による個別の権利行使ができなくなったことで、医療費、葬儀費用、納税資金、被相続人に扶養されていた者の生活費などが支払えないという不都合に対する立法的手当として、今回の相続法改正により遺産分割前でも単独で預金を払い戻すことのできる仮払い制度が創設されました。

2 払戻しが可能な金額ですが、まず預貯金債権の相続開始時の残高に3分の1を掛け、その部分に各相続人の法定相続割合を乗じた額(相続開始時の預貯金債権の額×1/3×法定相続分)または150万円のうちいずれか小さな金額を払い戻すことができると定められました。

払戻し可能額は、金融機関ごとに150万円が限度額とされています。

3 仮払い制度に基づいて払戻しを受けた預貯金については、相続人が遺産の一部の分割により取得したものとみなされます。したがって、遺産分割協議においては、当該預貯金の払い戻しを受けたことを前提に、残りの財産について遺産分割することになります。

また、仮払い制度を利用した相続人は相続を単純承認したものと扱われますので、安易に利用して相続放棄ができなくて困らないように注意する必要があります。

4 仮払い制度は、緊急の資金調達に便利な制度ですが、そういった用途以外にも相続人全員の同意を要しないことから、相続人に行方不明者がいる場合とか認知症の相続人がいる場合など遺産分割手続きに時間を要するときにも活用のできる制度だと思われます。

 

10月 03 2020

整骨院での治療

交通事故による治療費は、必要かつ相当な範囲であれば、加害者に賠償金として請求することができます。

医師が行う治療は、通常、必要かつ相当な範囲の治療として認められますが、整骨院で施術を行う柔道整復師には医師資格がないため、必要かつ相当な範囲の治療であるのか問題になることがあります。

そこで、整骨院に通院する際の注意点を説明します。

2)注意点

① まず整骨院ではなく、病院に受診すること。

交通事故に遭われたら、まず病院に受診してください。整骨院では検査や診断書を作成することができません。事故から時間が経過してから受診すると交通事故と怪我の因果関係を立証するのが困難になります。

② 事前に医師から整骨院通院の許可を得ておくこと。

整骨院に通院する際には、医師に相談して、整骨院通院の了承をもらってください。すでに通院している場合には、医師に通院していることを話して、カルテに通院していることを記載してもらっておくとトラブル防止につながります。

③ 病院への通院は、治療が終了するまで続けること。

後遺障害等級認定の申立をするには後遺障害診断書が必要になります。しかし、整骨院では後遺障害診断書を作成することができません。病院への通院を続けていれば、医師が治療経過を把握して、後遺障害診断書を作成することができます。また、整骨院の施術が治療の一環として行われていたと評価されることにもなります。

10月 03 2020

交通事故解決の流れ

1 交通事故発生時の対応

① 事故現場では被害者の救助活動が最優先です。まずは救急車を手配し、警察に連絡します。警察に連絡しないで、示談してほしいと加害者から頼まれることがありますが、必ず警察に連絡してください。警察に通報しておかないと自動車安全運転センターから「交通事故証明書」を発行してもらえません。
軽微な怪我であっても、何日か経って痛みが増すことがありますので、物損事故としないで、人身事故として届けましょう。

② 次に、ご自身が契約している保険会社に交通事故に遭ったことを報告します。弁護士に相談したい方は、弁護士費用特約が利用できるか保険会社に確認しましょう。

③ 警察から実況見分調書を作成するための立会を求められたり、リサーチ会社から調査への協力を依頼されることがあります。示談交渉の際の証拠にもなりますので、できるかぎり弁護士に相談しながら進めましょう。

2 治療

① 事故直後に必ず病院で医師の診断を受けて、治療を始めてください。
ずっと我慢して治療が遅れると事故との因果関係が疑われてしまいます。

② 一般的には自由診療によりますが、健康保険を使った方がよい場合があります。例えば、被害者の過失がある場合、過失に相当する部分については被害者の負担になりますので、健康保険を使って治療費を抑えた方が最終的に受け取れる賠償金が増えることがあります。
また、加害者が任意保険に加入していない場合、できる限り自賠責の範囲内で治療費を抑えるため、健康保険を使った方がいいでしょう。

③ 整骨院で治療を受けるときは、主治医の許可をもらってください。整骨院に通院する場合でも、定期的に医師の診察を受けてください。

④ 保険会社が治療費の支払いを打ち切りますと一方的に通告してくることがよくあります。しかし、治療を続けるかどうかは担当医とよく相談して決めればいいことで、保険会社のいいなりになる必要はありません。
保険会社に治療の継続を交渉しますが、保険会社の同意が得られない場合は、自費で通院治療を続け、後日、保険会社に請求することになります。

3 症状固定

① 治療を続けても効果が得られなくなった状態を症状固定といいます。症状固定の診断ができるのは、主治医だけですので、主治医とよく話し合ってください。

② 後遺障害等級認定のための申立をするか検討を行います。申立をしない場合は、保険会社と賠償金の示談交渉に移ります。

4 後遺障害の認定

① 主治医に後遺障害診断書を作成してもらいます。この診断書が後遺障害の認定のために主な判断資料になりますので、作成に当たっては弁護士に相談したうえ、主治医とよく話し合って記載漏れがないようにしましょう。

② 認定結果に不満がある場合には、異議の申し立て等により争うことができます。

5 示談交渉

① 保険会社から治療費、通院交通費、休業損害、逸失利益、慰謝料などの項目ごとに損害額が提示されます。賠償金の算定については、裁判が判決する場合の算定基準(裁判基準)が被害者に最も厚くなっています。
しかし、保険会社から提示される金額は、裁判基準よりも低くなっていますので、保険会社と合意する前に弁護士に相談してください。弁護士は、裁判所基準にしたがって交渉しますので、賠償金が増額できる可能性が高いです。

② 示談交渉がまとまらない場合は、交通事故紛争処理センターで和解斡旋等を受けたり、裁判を提起することになります。

 

9月 29 2020

外貌醜状と後遺障害

1 外貌醜状とは

頭部、顔面部、頸部など日常的に露出する部分に傷跡が残ることをいいます。

傷跡ですから運動機能の障害にならないこともありますが、傷跡が残った部位によっては心理的に社会生活に支障を及ぼします。

したがって、後遺障害として認定されるには心理的に社会生活に支障を及ぼす程度に、傷跡が人目に付くものである場合に限られます。

外貌醜状は傷跡のある部位と大きさによって後遺障害等級が7級から14級に認定されます。通常、後遺障害等級の認定手続きは、書面審

査によって行われますが、外貌醜状に関しては、損害保険料率算出機構の自賠責調査事務所で面接を実施し、傷跡の形状や色の確認が行わ

れます。

2 逸失利益・慰謝料

醜状障害は、身体機能の観点からは、労働能力の喪失が認められないとしても、対人関係の円満な形成が阻害されれば、社会生活に影響を

及ぼすことが考えられるため、労働能力の喪失が認められます。例えば、醜状痕のため配置転換させられたり、職業選択の幅が狭められる

など直接に影響を及ぼすおそれがある場合には、被害者の性別、年齢、職業等を考慮のうえ、一定の労働能力喪失が認められやすくなりま

す。労働能力に直接の影響が認められなくても、対外活動が消極的になって間接的に労働能力に影響を及ぼすおそれが認められる場合

は、労働能力の喪失が認められなくとも、後遺障害慰謝料の加算事由として考慮される可能性があります。

9月 29 2020

交通事故の示談金交渉~慰謝料の算定基準を知る

示談金の算定基準

1)交通事故が発生した場合、慰謝料等の損害賠償額を計算する際、自賠責基準・任意保険基準・裁判基準(弁護士基準)の3つの基準が存在します。

① 自賠責基準

自賠責基準とは、自動車損害賠償保障法に基づく自賠責保険金を算定するときに用いられる基準です。自賠責保険は被害者の損害を最低限度保障する制度であり、3つの基準の中で最も低くなっています。したがって、賠償金として不足する部分は任意保険による上乗せが予定されています。

② 任意保険基準

各保険会社が設けている賠償金の支払基準です。あくまでも保険会社の社内基準であり、非公開とされているので、基準の詳細はわかりまんが、おおむね自賠責基準と裁判基準の間に設定されていると考えられます。

② 裁判基準(弁護士基準)

過去の裁判例の集積から一定の基準をまとめたものであって、裁判所が判決をする場合にも、この基準が目安となっています。

自賠責基準<任意保険基準<裁判基準(弁護士基準)の順で基準が高くなっており、弁護士が保険会社と示談交渉をする場合には、この基準に基づいて賠償金を請求しています。

2)弁護士が交渉に当たらないときの保険会社の姿勢

法律相談では3つの基準を説明し、保険会社からの提示されている賠償金額を裁判基準で計算し直して相談者に提案しています。相談者によっては、自分で交渉しますと言って、相談を終えられる方もいます。しかし、自分で交渉してもほとんど増額が認められないため、再び相談に来所されます。保険会社としては弁護士が代理人についたときに限って、裁判基準による交渉に応じてくれるようです。

保険会社の姿勢には納得できませんが、現実問題としては、弁護士に依頼することを検討する場面であるといえます。

 

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